女性の健康支援策の充実が企業成長の柱になる 女性社員のための婦人科検診の重要性

女性の就労は、社会の変化とともに大きく様変わりしています。
働く女性は近年では年を追うごとに増えて、総務省「労働力調査」によると、令和元年の女性の労働力人口は3,058 万人と前年に比べ 44 万人の増加。労働力人口総数に占める女性の割合は 44.4%となりました。
経済成長の担い手としての女性の健康支援が、企業成長の柱になるといわれています。
そのためには、女性が定年まで元気にイキイキと働くための健康支援が重要なカギとなります。
「女性の健康対策」は、経済産業省の調査においても「健康経営の取り組みで関心が高いものの」のトップにあげられるなど、健康経営を推進する企業においては、とくに女性の健康問題策に強い関心が寄せられています。


女性特有の健康課題と経済的損失

女性の健康という視点にたったとき、把握しておくべきものに女性特有の健康課題があります。
女性は、女性ホルモンの波によるさまざまな症状や疾患を抱えていて、そのひとつに月経前や月経中の下腹部痛やイライラといった月経随伴症があります。
女性の約8割は月経痛もしくは何かしらの月経随伴症状を経験しているといわれていますから、職場においては月経関連の不調によるパフォーマンスの低下を無視することはできません。
経済産業省の資料によると、女性特有の月経随伴症状による経済的損失額は治療費を含めると約7,000億円にも及ぶと試算されており、経済損失の大きさが浮き彫りになっています。
また、初産年齢の上昇や月経回数の増加により、30代~40代では子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患が増えてきます。
30代から増加する乳がん、発症のピークが20代~30の子宮頸がん、40代から増え始める卵巣がんなど、女性特有のがんは働き盛りの年代に多いのが特徴です。さらに40代半ばころからは、更年期障害という課題もあります。


女性特有の症状・疾患に対する検診の必要性

特定健診は男性を中心に考えられています。
男性の場合、心血管系の病気に罹患するリスクが高まるメタボリックシンドロームへの対策が重要になりますが、女性の場合、これらの病気にかかる年代が男性よりも10~15年後ろにずれることが知られています。
経済産業省の資料によると就労期の女性はメタボリックシンドロームにかかる割合が低く、20代にはほとんど存在せず、30代でのメタボ率は男性の17分の1、40代は4分の1、50代は3分の1以下、60代は2分の1と指摘しています。
男性と女性は異なる健康課題をもっています。
女性の従業員数が増加している今、男性と女性の両方に目を向けた健康経営を考える必要があります。


女性の健康支援への対応

経済産業省でも、健康経営優良法人の認定制度においても、妊娠中の従業員に対する業務上の配慮、更年期障害への対応、婦人科検診への補助等を含む「女性の健康保持・増進に特化した取組」が認定項目の一つに挙げられています。
ヘルスリテラシーの向上、相談窓口の開設、働きやすい環境整備に加えて、医療の領域では婦人科検診や乳がん検診、子宮頸がん検診などの実施や検診費用の補助などが望まれます。
女性が健康を保ちハイパフォーマンスで働くためには、ライフステージ、ライフサイクルにあった女性の健康支援が大きなポイントになります。
女性特有の症状・疾患による経済的損失を防ぎつつ、重要な働き手となっている女性の健康保持・増進に職域で取り組むことが、企業戦略において大きな役割を担うことになりそうです。

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