毎年受けている健康診断。
元気なのだから、受ける必要はないのでは? と思っていませんか?
でも、健康診断は元気なときだからこそ必要なのです。
■何気ない生活習慣が病気を招く?
老衰を除いて、日本人の死因の上位を占めているのが、がんや心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病です。
生活習慣病は、運動習慣や食生活、休養、喫煙、飲酒などの日常生活の習慣に深くかかわって発症します。
高脂肪の食事や塩分の多い食事を好んでとっていたり、野菜不足に陥っていたり。また運動不足や睡眠不足、ストレスのたまる生活を送っているなど、現代社会は生活習慣病をもたらす因子がいっぱいあります。
■20代でも生活習慣病の危機が
生活習慣病は30~40歳代に急増するといわれていますが、近年は発症年齢が低下し、若い世代や子供にまでその兆候が見られるようになってきたといいます。
20代でも油断は禁物なのです。
私たちは病気の症状があれば医療機関を受診します。けれども生活習慣病は、初期のうちは主だった症状が出ないといわれています。
つまり、自覚症状がないまま病気がすすんで、気づくと病気が進んでいることがあるのです。
■なぜ健康診断が必要なのか
そこで重要なのが健康診断です。健康診断で健康状態をチェックし、病気になる前段階であることがわかれば、生活習慣を見直して対処することができます。
また、たとえ病気が発見されても、早期に発見できれば早期に治療ができます。
年に1回は健康診断を受けて、健康状態をチェックしましょう。
がん検診のように特定の病気を調べる検診も、あわせて受けることをおすすめします。
■毎年できるだけ同じ時期、同じ施設で受診を
ところで、毎年健康診断を受けていても、ある年健診を受けなければ、その前後の2年間自分の体をチェックしないことになります。その間、病気が進行してしまうこともあるのです。
健診・検診は毎年定期的に受診することが大事です。
また、健康状態を把握するためには、過去のデータと現在のデータを比較する必要があります。
毎年できるだけ同じ時期に、同じ健診機関で健康診断や検診を受けることが重要だといわれています。
■健康診断前の「にわか○○」は意味がない
ところで、健康診断で異常値が出ないようにと、健診日が近づくと急に飲酒をやめたり食事を制限する人がいます。
そのまま健康な生活習慣が続けばよいのですが、多くの人は健診後は再びもとの生活に逆戻りしてしまうようです。
ふだんと違った生活をして、その場はよい健診結果を得たとしても、これでは本当の意味の健康チェックにはなりません。
特別なことはせずに、ふだんと同じように過ごして健康診断を受けることをおすすめします。
先行きが不透明な時代だからこそ、健診・検診で積極的に健康管理を行って、元気な明日につなげましょう。
<参考資料>
*「予防と健康の事典」(小学館)
*家庭医学大事典(小学館)
*「健診」(e-ヘルスネット 厚生労働省)