女性の健康支援チームでは、働く女性の健康支援をテーマに様々な活動を行っています。受診者様に女性特有の検診について新たな情報を発信することで検診やご自身の健康管理に関心を持って頂く機会を創出したいと考えています。いま、若い女性に子宮頸がんが増えてきています。子宮頸がんを防ぐ2つの予防方法、ワクチンとがん検診について、フィーカレディースクリニック窪麻由美先生にお話しをお聞きしました。
■HPVワクチンを取り巻く状況について教えてください
「日本では子宮頸がんで毎年約3,000人の方が亡くなっています、これは世界の中でも深刻な状況です。子宮頸部異形成も増加傾向です。子宮頸がんはワクチンで90%が予防できる「がん」ですが、世界各国と比較すると日本ではワクチン接種が1.4%と接種率が低く、とても遅れています。
しかし2021年11月に積極的接種推奨が再開し、最近の接種率調査では14%に回復というデータがありますので、これから予防効果が期待されるところです。日本では2価と4価の2種類のワクチンが、小学6年生から高校1年生相当の年齢まで公費で接種できます。(9価ワクチンも2023年4月以降に定期接種化)公費ではありませんが、成人女性も26歳まで接種が推奨されています。それ以降27歳~45歳の女性にも一定の効果が期待できるといわれています。男性のワクチン接種も有効です。HPVは、尖圭コンジローマや咽頭がん、陰茎がん等の原因にもなるので、これを予防する効果の他に、集団免疫が獲得できるのでパートナーを病気から守るためにも大切です。」
■HPVワクチンのキャッチアップ接種
1997年から2005年度生まれのワクチンを打ち逃した方を対象に2022年からの3年間は原則無料でワクチンが接種できることになりました。
また、窪先生が推進している「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」ではHPV
によって引き起こされる病気と予防方法についてわかりやすく解説がありますので、こちらで詳細をご確認ください。
「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」URL https://minpapi.jp/
■定期的に子宮がん検診を受けましょう
「子宮頸がんの原因となるHPVは200種類以上もあり、そのうちの約15種類が子宮頸がんを引き起こすウィルスです。HPVはとてもありふれたウィルスで女性の8割以上が一生に一度は感染していると言われています。子宮頸がんの早期発見、早期治療のために20歳をすぎたら、子宮がん検診を受けていただきたいと思います。会社の定期健診のオプションで子宮がんを受診される場合は1年おきなど間隔をあけてしまう方がいますが、性交渉がある場合は毎年受けた方がよいです。子宮頸部細胞診で異常値が出た場合はHPV検査を受けることをおすすめします。子宮頸がん予防にはワクチン接種と定期的な検診が大切です、フィーカでは健診の大切さを皆様にお話ししています。
フィーカレディースクリニックURL https://fika-lc.jp/
おわりに
当社と契約しているフィーカレディースクリニックの子宮頸がん検診・HPVに関する情報はいかがでしたか。HPVは男女ともに関係のあるウィルスであり、ワクチン接種も男女ともに効果があることを初めて知りました。職場や学校など身近なところでHPVワクチンやキャッチアップ接種の情報を得られるきっかけがあるといいですね。子宮頸がん予防のために、今の自分の体を知るためにも年に一度は検診を受けて、自分の体をケアしていきましょう。